建築業界にはさまざまな職種がありますが、その中でも少し特殊でありながら需要が高い仕事の一つが「補修(リペア)」の仕事です。住宅や建物を建てる際、どれだけ丁寧に施工しても小さな傷やへこみ、汚れなどが発生することがあります。そうした細かなダメージを目立たなく修復し、きれいな状態に仕上げるのが補修・リペア職人の役割です。
一般の人にはあまり知られていない職種ですが、建築現場では非常に重要な存在です。新築住宅の引き渡し前やリフォーム工事の仕上げ段階など、建物を最終的に美しく整える仕事として多くの現場で活躍しています。
このコラムでは、補修・リペア職人の仕事内容や特徴、そして建築業界の中での役割について分かりやすく解説します。
補修(リペア)とはどんな仕事か
補修・リペアとは、建物の傷や欠け、へこみ、汚れなどを修復する仕事のことを指します。
例えば新築住宅を建てる場合、工事の途中で床やドア枠、柱などに小さな傷がついてしまうことがあります。また家具の搬入や施工中の作業で壁や床が少し傷つくこともあります。
そうした傷をそのままにしてしまうと、建物の印象が大きく変わってしまいます。そこで補修職人が現場に入り、専用の材料や道具を使って傷を目立たなく修復します。
補修は単に「直す」だけではなく、周囲の色や質感に合わせて自然に仕上げる必要があります。そのため高い技術力と繊細な作業が求められる仕事です。
補修職人が対応する主な作業
補修職人が行う作業はさまざまですが、代表的なものとしては次のような内容があります。
・フローリングの傷補修
・建具(ドアや枠)の傷補修
・家具やカウンターの欠け補修
・壁やクロス周辺の小さな傷補修
・アルミサッシの傷補修
・巾木や木部の補修
特に多いのがフローリングや木部の補修です。木材は傷がつきやすいため、建築現場では補修作業が必要になるケースが多くあります。
補修職人はパテや補修材、塗料などを使いながら色を調整し、周囲の木目や質感に合わせて仕上げます。場合によっては木目を描く作業なども行い、元の状態に近づけていきます。
こうした作業は非常に細かく、まるで絵を描くような感覚に近い作業とも言われています。
建築現場での補修の役割
補修職人は主に工事の終盤で現場に入ることが多い職種です。
建物の工事がほぼ完成し、引き渡し前の最終チェックの段階で傷や不具合が見つかることがあります。その際に補修職人が修復を行い、建物をきれいな状態に整えます。
つまり補修の仕事は「建物の仕上げ」を担う重要な役割と言えます。
どれだけ良い材料を使っていても、小さな傷があるだけで建物の印象は大きく変わります。補修職人はその最後の仕上げを担当し、建物の品質を保つ役割を果たしています。
補修の仕事の特徴
補修・リペアの仕事にはいくつか特徴があります。
まず一つ目は、比較的コンパクトな道具で仕事ができる点です。大きな機械を使うことは少なく、筆や補修材、小さな工具などを使って作業することが多いです。
二つ目は、細かな作業が多いことです。補修は数ミリの傷を直すこともあり、集中力や丁寧さが求められます。
三つ目は、短時間で成果が求められることです。建物の引き渡し前に補修を行うことが多いため、限られた時間の中で仕上げるスピードも重要になります。
補修職人はどんな人に向いているか
補修の仕事は、細かい作業が好きな人や集中して作業するのが得意な人に向いています。
また、色を合わせたり木目を描いたりする作業もあるため、絵を描くことや手先を使う作業が好きな人にも向いている仕事です。
大工や内装工事などの職種と比べると、力仕事は比較的少ないため、体力に自信がない人でも始めやすい職種と言われています。
その一方で、仕上がりの完成度が求められるため、経験を積んで技術を高めていくことが重要になります。
補修の仕事の一日の流れ
補修職人の仕事は、現場によって内容は異なりますが、一般的な流れがあります。
朝は現場に到着した後、まず補修箇所の確認を行います。現場監督や施工会社から指示を受けたり、チェックリストを見ながら傷や不具合の箇所を確認します。
その後、補修する部分の清掃や下地処理を行い、補修材を使って傷を埋めたり整えたりします。乾燥させた後に色を調整しながら塗装を行い、周囲の素材と自然になじむように仕上げていきます。
場合によっては木目を描いたり、ツヤを調整したりすることで、補修した部分が分からないように仕上げます。最後に全体を確認し、問題がなければ作業完了となります。
補修は一つ一つの作業は小さくても、丁寧さが求められるため集中力が重要になります。
補修の仕事は就職や独立にもつながる
補修・リペアの仕事は、建築業界の中でも比較的独立しやすい職種の一つと言われています。
理由の一つは、比較的大きな機械や設備を必要としないことです。基本的には補修材や工具などを用意すれば仕事を始めることができるため、経験を積んだ後に独立する職人も多くいます。
また、補修の仕事は新築現場だけでなく、リフォーム工事や賃貸物件の退去後の原状回復工事などでも必要とされます。家具や建材の補修など、建築以外の分野で活躍するケースもあります。
そのため、技術を身につけることで幅広い仕事に対応できる可能性があります。
建築業界における補修の需要
近年、補修の仕事は建築業界の中でも需要が高まっている職種の一つです。
新築住宅だけでなく、マンションのリフォームや賃貸物件の原状回復などでも補修作業が必要になるケースが多くあります。
また、建物を壊して交換するよりも補修で対応する方がコストを抑えられる場合もあり、リペア技術を活用する現場も増えています。
環境への配慮という観点でも、「交換するより補修する」という考え方は今後さらに広がっていくと考えられています。
まとめ
補修・リペアの仕事は、建物についた傷やへこみなどを修復し、きれいな状態に仕上げる仕事です。
建築工事の最後の仕上げを担う重要な役割を持ち、建物の印象や品質を保つうえでも欠かせない存在です。
細かな作業や繊細な技術が求められる仕事ですが、その分技術が身につくと多くの現場で活躍できる職種でもあります。
建築業界にはさまざまな職種がありますが、補修職人は「直す技術」で建物の価値を守る仕事と言えるでしょう。こうした仕事の存在を知ることで、建築現場の仕事の奥深さをより感じることができるのではないでしょうか。















