壁紙を貼る内装職人を目指すためには

1. 内装職人とは?

内装職人は、建物の内部を仕上げる仕事を担う職人のことを指します。その中でも「壁紙を貼る職人」は、クロス職人とも呼ばれ、住宅やオフィス、商業施設などの壁や天井に壁紙(クロス)を貼る専門家です。

壁紙の施工は見た目の美しさだけでなく、耐久性や快適性にも関わるため、精密な技術が求められます。未経験からでも始められますが、熟練するには経験と技術の向上が欠かせません。

2. 壁紙職人になるためのステップ

壁紙を貼る職人になるための基本的なステップを紹介します。未経験からスタートする場合でも、正しい学び方を選べばスムーズに技術を身につけられます。

経験を積むことで、より高度な施工技術を身につけることができ、独立して活躍する道も開けます。ここでは、壁紙職人としてのキャリアを築くために必要なステップを詳しく解説します。

(1) 必要な資格や免許は?

壁紙を貼る仕事には、特別な国家資格が必須ではありません。しかし、以下の資格を取得すると、スキルの証明になり、仕事の幅も広がります。

資格を持っていることで、工事の品質を証明できるだけでなく、取引先からの信頼を得やすくなるというメリットもあります。また、専門的な技術を習得することで、難しい現場や高単価の案件を受注できる可能性が高まります。

  • 内装仕上げ施工技能士(1級・2級)
  • 職業訓練指導員免許(内装仕上げ科)
  • 建築施工管理技士(1級・2級)

資格がなくても仕事はできますが、資格を持っていると高単価の仕事を受注しやすくなります。

(2) 未経験から始めるには?

未経験から壁紙職人になるには、以下のルートがあります。どのルートを選ぶかによって、習得のスピードや働き方が変わります。

未経験者は最初のうちは大変ですが、現場経験を重ねることで確実に成長できます。また、初心者向けの研修制度を用意している会社もあるため、学びながら働くことが可能です。

(A) 会社に就職する

    • 内装工事会社に就職することで、未経験者でも給与をもらいながら技術を学ぶことができます。特に先輩職人の指導を受けながら、現場での実践的なノウハウを身につけることができるため、効率的に成長することが可能です。また、企業によっては資格取得支援制度を設けているところもあり、働きながらスキルアップを図ることができます。
    • こうした環境の中で経験を積み、より高度な技術を習得することで、将来的なキャリアアップや独立も視野に入れることができます。

(B) 職業訓練校に通う

    • 公共職業訓練校や専門学校では、壁紙施工の基礎技術を学び、卒業後に企業へ就職する道が開かれています。短期間で基本技術を習得しやすく、実習を通じて実際の現場で求められるスキルを学ぶことができます。また、就職サポートが充実している学校も多く、卒業後の仕事探しが比較的スムーズに進む点も大きなメリットです。
    • 学校で得た理論と実践経験を組み合わせることで、より効率的に技術を磨くことが可能となります。

(C) 独学・見習いとして働く

    • 先輩職人のもとで見習いとして働きながら技術を学ぶこともできます。最初は収入が少ないことが多いですが、現場での経験を積むことで確実にスキルアップが可能です。日々の作業を通じて、壁紙の貼り方や仕上げのコツを学びながら、実践的なノウハウを身につけることができます。
    • 経験を重ねることで仕事の精度が上がり、より高度な施工を任されるようになれば、収入も徐々に向上していきます。
(3) 独立するには?

経験を積んだ後に独立する職人も多いです。独立することで、自分のスケジュールを自由に管理できるようになり、収入アップのチャンスも広がります。

しかし、仕事を安定させるためには、確かな技術力だけでなく、営業力や経営管理のスキルも必要になります。顧客との信頼関係を築き、安定した仕事を受注するためには、積極的に人脈を広げることが重要です。独立するためには、以下の要素が重要になります。

  • 技術力の向上
    • 壁紙職人には、美しい仕上がりと施工の速さが求められます。特に柄合わせやデザインクロスなどの難しい壁紙を扱う場合、正確な技術が必要になります。
    • これらの技術を身につけることで、施工の幅が広がり、より高単価な仕事を受けることが可能になります。また、仕上がりの精度が高い職人は、リピーターや紹介による仕事が増え、安定した収入を確保しやすくなります。
  • 営業力と人脈
    • ハウスメーカーやリフォーム会社と取引を行い、安定した仕事を確保することが大切です。また、自分の仕事を広く知ってもらうために、SNSやホームページを活用し、施工事例やお客様の声を発信することで、新規顧客の獲得につなげることができます。定期的に更新し、施工のこだわりや強みを伝えることで、信頼を得やすくなり、リピーターや紹介案件の増加にもつながります。
  • 必要な道具を揃える
    • 壁紙施工には、地ベラ、ローラー、カッター、のり付け機などの道具が欠かせません。
    • これらの道具は作業の精度を左右するため、高品質なものを使用することで仕上がりの美しさが向上し、作業効率も大幅に改善されます。特にプロの職人は、自分の手に馴染む道具を選び、定期的にメンテナンスを行うことで、長期間にわたり安定した施工品質を維持しています。

3. 壁紙職人の働き方と収入

壁紙職人の働き方は主に2種類あります。

(1) 会社員として働く

内装業者に勤める形で働きます。

  • メリット:安定した給与が得られ、社会保険も完備されているため、長期的に安心して働くことができます。また、未経験者でも現場で学びながら技術を習得できる環境が整っており、経験を積むことで着実にスキルアップが可能です。さらに、定期的な研修や資格取得の支援制度がある企業も多く、将来的なキャリアアップにもつながります。
  • デメリット:給与は経験次第で上がるが、独立より収入が低い場合も。
(2) 独立して働く

個人事業主として独立し、自分で仕事を請け負う形です。

  • メリット:収入が大きく増える可能性があり、自分のペースで仕事ができるため、働き方の自由度が高くなります。また、工夫次第で高単価の案件を獲得しやすくなり、技術や営業力を磨くことでさらに収入を増やすことができます。仕事量の調整がしやすい点も魅力の一つで、ワークライフバランスを考えながら働けるメリットがあります。
  • デメリット:仕事を取る営業力が必要、収入が安定しにくい。
(3) 壁紙職人の収入は?

壁紙職人の収入は、経験や働き方によって異なります。

  • 未経験者(見習い):月給20万〜25万円程度。
  • 経験者(5年以上):月給30万〜50万円。
  • 独立開業:年収500万円〜1000万円以上も可能。

特に独立すると、1日あたり2〜3万円の単価で仕事を請けることも可能です。

4. 仕事の魅力と大変さ

(1) 壁紙職人の魅力
  • 手に職がつく:一度技術を身につければ、一生仕事に困らない。
  • 達成感がある:壁紙を貼り終えた時の達成感が大きい。
  • 独立しやすい:経験を積めば個人で仕事を受けられる。
(2) 大変なこと
  • 体力が必要:長時間の立ち仕事や重い道具を使うことも。
  • 正確さが求められる:ズレやシワがあるとやり直しが必要。
  • 繁忙期は忙しい:年度末や引越しシーズンは仕事が集中しやすい。

5. まとめ

壁紙を貼る内装職人は、未経験からでも始められる仕事ですが、技術の向上が重要なポイントになります。安定した収入を得るには、経験を積んで資格を取得し、仕事の幅を広げることが大切です。

また、独立を目指す場合は技術だけでなく営業力も必要になります。壁紙職人は、手に職をつけて自分の力で生きていける魅力的な仕事です。興味のある方は、まずは見習いとして経験を積むことから始めてみてはいかがでしょうか?

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