「建築業界の人手不足に困っているが、求人を出しても応募がない。」「就業者の高齢化が進んでいるため、若年層の働き手を増やしたいが、改善方法がわからない。」と悩んでいませんか。
ここ数年、建築投資額が増え、人手が必要になっているのに対して、建築業就業者数は年々減っています。
今回は、建築業界で求人が集まりにくい理由と人を集めるために改善すべきことを解説します。
この記事を読めば、長年の人手不足を改善する方法がわかりますよ。
建築業界で求人が集まりにくい理由
建築業界は良いイメージを持たれていないため、求人が集まりにくいです。ここでは、具体的にどのような理由で避けられているのかを解説します。
人材不足で仕事量が多い
建築業界はバブル崩壊やリーマンショックの影響で人が離れ、慢性的な人手不足に陥っています。国土交通省の「建築業及び建設工事従事者の現状」によると、技能労働者は以下のように推移しています。
・685万人(H9)
・498万人(H22)
・492万人(H28)
このように、年々建築業の技能労働者は減っており、人手不足の業界に飛び込むと過度な残業や仕事量をお願いされる可能性が少ないため、挑戦したいと思う方が少ないのです。
参考:国土交通省「建築業及び建設工事従事者の現状」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mlit.go.jp/common/001180947.pdf
労働条件が悪いイメージが残っている
建築業界は労働条件が悪いイメージがあります。特に、若年層にとって働きにくい環境で、理由は以下の通りです。
・年功序列
・人間関係
・労働量に対する賃金の低さ
建築業界で働き、満足する若年層が少ないため、すぐに離職してしまいます。若年層は無理に働きにくい環境で働く必要がないため、建築業界への応募を控えます。
イメージが悪い
建築業界は他の業界と比べてイメージが悪いです。建築業の現場はきつい・危険・汚い仕事だと思われているからです。実際、肉体労働なので、オフィスでパソコンを打つ仕事と比べると体力的に厳しいと感じる方も多いでしょう。
機械の導入や働き改革によって職場環境が改善されている現場も多いですが、残業時間や出勤日数の多さに困っている労働者が多いのも事実。
豊富な職種の中から建築業界を選ぶ若年層は「昔からの夢だから」や「家族との関係がある」などの特別な志望理由の方が多いでしょう。
年齢層が高い
建築業界は在職者の年齢層が高く、定年でさらに人手不足が見込まれます。実際、建設業就業者は55歳以上が約34%(H28)と約3割を占めているのです。
就業者の年齢層が高い結果、若手に十分な教育ができない上に、多くの仕事量をこなす必要が出てきます。また、職場に同世代がいない環境は若年層にとって働きにくく、求人が減る原因になっているでしょう。
気軽に相談できる年代がいる方が仕事をしやすいと感じるのは当然です。今後、高齢化及び人手不足が続くとわかっている業界に飛び込む方は少ないため、今後も建築業界の求人への応募は少ないでしょう。
キャリアアップに繋がらない仕事だから
ここ最近は転職を考えた上でのキャリア形成が主流です。同じ職場で終身雇用するのではなく、キャリアを積んだ後に転職し、今より良い会社や理想の仕事に挑戦したいと考える方が増えています。
建築業は体力勝負な面が多く、一生続けられる仕事ではなく、出世する未来が想像しにくいです。
また、転職時「建築関係以外の仕事がしたい。」とキャリアチェンジを希望した時に、パソコンスキルやビジネススキルが事務職やオフィスで働いてきた人と比べて劣ってしまいやすいです。
このように、転職や将来を見据えて職業を選ぶ時に建築業界に応募したいと思う方は少なくなってしまいます。
建築業界に人を集めるためにするべき3つのこと
建築業界に人を集めるには、建築業界のイメージを変え、入社するメリットを伝える必要があります。ここでは、具体的にどのような方法で求職者にアピールするのかを解説します。
応募・採用条件を甘くする
応募・採用条件を甘くすると、応募者数が増える可能性があります。建築業界に興味があるが、応募条件に当てはまっていないから、応募できない求職者もいるでしょう。
例えば、大学卒のみを募集しているのであれば、高卒以上の応募を受け付けるなど。採用条件は面接回数を3回から2回に減らしてみるなどが考えられます。
応募・採用条件を甘くし、多くの方が入社できる環境を考えてみましょう。
建設業の仕事内容を普及する
一般的な建設業のイメージは、きつい・危険・汚いです。建設業と聞くと、現場をイメージする方が多いですが、他にも計画の設計や維持管理、資材の手配などたくさんの仕事がありますよね。
会社のホームページや募集要項に以下の内容を投稿し、建設業のイメージを変えましょう。
・仕事の種類
・1日の流れ
・キャリアアップ
現場だけではなく、他にもパソコンを操作したり、企画したりする仕事があるとアピールしてください。応募者は入社してからの仕事内容を想像しやすく、建設業に興味をもつ人も格段に増えるでしょう。
福利厚生を見直す
若年層は働きやすい環境を求めています。そのため、大手企業や公務員など福利厚生が整い、プライベートも楽しめる職場を探しています。
建築業界は人気のない業界だからこそ、福利厚生の良さで差別化するのがオススメです。求職者に「この業界なら倍率も低い上に、働きやすい環境で仕事できそう。」と思わせるのが鍵です。
具体的には、以下の内容を見直しましょう。
・給与・賞与
・年間休日
・食事手当
・家賃補助
・リフレッシュ休暇制度
福利厚生を見直しアピールすれば、「意外と建築業界はホワイトな業界なんだ。」と考え、応募する人が増えます。
福利厚生には経費がかかる投資ですが、就業者が増え会社の業績が上がれば回収できるので、勇気を出して取り組んでみましょう。
建築業界の悪いイメージを変えよう
建築業界に人が集まらないのは、きつい・危険・汚いと思われ、良いイメージがないからです。建築業界の就業者を増やすには、建築業界のイメージを改善する必要があります。
イメージ改善には、ホームページや募集要項で仕事の詳細や福利厚生のアピールをしなければなりません。
求人を見てくれた方のイメージを覆すメリットを提示し、「この会社なら無理なくお金を稼げそう。」と思わせることも大切かもしれません。