建設と建築の違いは?何が違う?

建設と建築、建設業界ではよく目にする言葉です。
しかし、その「違い」を聞かれると、答えられない人は多くいるのではないでしょうか?

実は働く上では知らなくても困らないのが実情ですが、知っていると周りから一歩リードできます。

この記事を読めば、「建設と建築の違い」について業界未経験の人でも理解できるようになります。

建設と建築の違いとは?

建築と建設の違いのイメージ

簡単に言うと、建設というカテゴリーの中のひとつに建築というジャンルがあります。

動物と犬の関係で例えると
動物が「建設」になり、その中の犬という種類が「建築」に該当します。

つまり、「建設と建築の違い」というよりは、建設の中に建築が含まれていると理解するのが正しい認識です。
 
また建設は、「建築と土木」で構成されており、理解を深めるためにはそれぞれの言葉の意味も重要となります。

以下「建設」「建築」「土木」についての解説していきます。

建設とは?

建設とは?

ここでは、「建設」の語源、法律定義や、どんな活動があるかを解説します。

語源と法律の定義

建設は「建てること」という意味があり、英語で”Construction”となります。

英語において「construction」という単語は、もともとは、建築物の建設に関する技術的な言葉として使われていました。

現代では、建設・建築・土木工学・道路工学・土地開発など、多岐に渡る分野を指します。

建設に関する法律定義は、土地に物理的な構造物を建設することです。

日本では、「建築基準法」という法律が建設に関する法的な枠組みを提供しています。

この法律は、建築物の安全性や耐久性などを定め、建築に関する手続きや設計、施工、監理などを規定しています。

建設に含まれる活動

建設に含まれる活動は主に次の6つに分類されます。

①設計
建物や施設の設計図を作成する活動。

②土木工事 
道路や橋、ダム、トンネル、河川などの土木工事を行う活動。

③建築工事
住宅、ビル、商業施設、公共施設などの建築工事を行う活動。

④設備工事 
空調設備、電気設備、配管設備などの設備工事を行う活動。

⑤解体工事
古い建物や施設を取り壊すための解体工事を行う活動。

⑥管理
工事現場の管理や工程管理、品質管理、安全管理、環境管理などを行う活動。

建築とは?

ここでは、「建築」の語源、法律定義や、目的や役割について解説します。

建築とは?

語源と法律定義

建築には「建物や橋を建てること。その建てたもの。」という意味があります。

建築の語源は、”Architecture”という、ギリシャ語の「arkhitekton」(建築家)に由来します。

“arkhitekton”は、「arkhi(主導権)」と「tekton(工夫する人)」を組み合わせた言葉です。

この言葉は、建築物の設計と建設を主導する人をし、ラテン語の「architectura」を経て、英語の「architecture」となりました。

日本において、建築に関する法律定義は、建築基準法によって定められています。

建築基準法では、
「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの、またこれらに付属する門・塀、観覧のための工作物、地下もしくは高架の工作物内に設ける事務所等の施設」
と定義されています。

目的と役割

建築の目的は、人々が居住や作業、学習などをするための空間を提供することです。

また、人々が快適に生活するために、環境に配慮し、美的価値の追求も重要な役割を担っています。

以下に、建築の主な役割を3つ挙げます。

①安全性の確保
建築は、人々が生活するための空間を提供するだけでなく、その安全性を確保することも大切な役割です。建築においては、地震や火災などの災害に対しても耐性が求められます。

②快適性の追求
建築は、人々が快適に過ごすための環境を創り出すことも重要な役割です。建築物の設計においては、気温や湿度、照度、音響などの環境条件を考慮して、快適な空間を作り出すように努めます。

③美的価値の追求
建築は、美的価値を持つ建築物を作り出すことも大切な役割です。建築物の外観や内装、材料などを選定することにより、美的価値を高めることができます。

土木とは?

ここでは、「土木」の語源、法律定義や、目的や役割について解説します。

土木とは?

語源と法律定義

土木には「木材・鉄材・石材などを使ってする、家屋・道路・鉄道・河川・港湾などの工事。」という意味があります。

「土木」を英語に訳すと「Civil Engineering」になります。この語源は、ラテン語の「civilis(市民の)」と「ingenium(才能、技術)」から来ています。つまり、「市民のための技術」という意味です。

土木の法律定義は国によって異なりますが、一般的には、土木工事を行うための技術的、経済的、行政的な要件や規制に関する法律を指します。

日本においては、「土木工事に関する法律」があります。

この法律は、土木工事の施行及び監理に関わる人々の資格や、工事の品質や安全に関する規定、そして公共事業の計画・設計・施工・維持管理等に関する事項が定められています。

目的と役割

土木の目的は、土地を利用し、人間が生活するためのインフラや建造物を設計、建設、維持管理です。

具体的には、道路や橋、トンネル、ダム、水道施設、下水道施設、鉄道、空港、港湾施設、灌漑施設、建物などの設計、建設、維持管理を行います。

これらの施設は、私たちの日常生活に欠かせないものであり、安全・快適・効率的な社会インフラの提供が土木の重要な役割です。

また、自然災害や気候変動による被害を最小限に抑えるために、防災・減災施設や緑地なども土木の重要な分野の一つです。

このように、土木は社会インフラや建造物を設計、建設、維持管理することで、私たちの暮らしを支える役割を果たしています。

建設業界はどんな仕事をするの?

建設業界の仕事は、主に以下の6つが挙げられます。

①設計業務
建築物や土木施設の設計を行う仕事です。建築士や土木技術者、設備設計技術者などが担当します。

②施工管理業務
建築現場や工事現場で施工を管理する仕事です。現場監督や施工管理者、施工計画者などが担当します。

③工事積算・見積り業務
工事の費用計画を行う仕事です。積算者、見積もり担当者が担当します。

④建設機械・重機オペレーター
建設現場での土木機械や重機の操作を行う仕事です。クレーンオペレーターやブルドーザーオペレーターなどが担当します。

⑤土木・建築施工作業
現場での土木・建築作業を行う仕事です。コンクリート打設作業や配管工事、屋根工事などがあります。

⑥研究・開発業務
建設技術の研究・開発を行う仕事です。建設コンサルタントや研究機関などが担当します。

まとめ

当記事では、「建設と建築の違い」について解説してきました。

理解を深めるために、それぞれの言葉の意味から関係する事象まで執筆しています。

知らなくても困らないけど、知っていると得する情報だらけだとなっています。

覚えておいていただきたいのは、

「建設というカテゴリーの中に、建築というジャンルが含まれている」ということです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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