「建設業界の平均年齢は上がって来ていると聞くから、具体的な状況を知りたい。」
「転職しやすいのか知りたい。」と悩んでいませんか。建設業界は30代でも転職がしやすい業界です。この記事では、建築職人の平均年齢をもとに建築業界の現状を解説します。
建築職人の平均年齢は44.2歳
厚生労働省の「建設業就業者の年齢構成」によると、平成28年度の建築職人の平均年齢は44.2歳です。これは生産労働者である男性のみの平均年齢になります。他の産業や製造業と比べて高齢化が進んでおり、人手不足が深刻化する可能性が高いです。
55歳以上の割合が33.9%、34歳以下の割合は19.1%です。建築業界は、55歳以上の労働者が定年退職する前に技術を引き継ぐ必要があり、30代や40代の転職者でも大きな需要があります。
建築業界の現状
転職するなら、建築業界の現状を知ってから入社したいですよね。ここでは、就業者の年齢や制限など建築業界の現状をまとめました。
女性の就業者は増加
厚生労働省の「建設業就業者の年齢構成」によると、建築業界における女性の就業者は増加しています。建築業界全体の就業者は減っているものの、女性の就業者は増加傾向にあり、平成28年度で74万人の女性が従事しています。
しかし、平成12年度は98万人の女性が働いていたため、長い目でみると女性の就業者も減っているのです。平成23年度の66万人の時と比べ、平成28年度は74万人に増えたが、女性就業者の割合は他の産業や製造業に比べて少ない状況が続いています。
建設業は力仕事が多く、女性より男性が向いている仕事が多いためだと考えられます。
建築業界全体の就業者は減少
国土交通省が出している「建設業を巡る現状と課題」によると、建築業界全体の就業者は令和4年479万人で、ピーク時の平成9年に比べると約30%減っています。建設業界全体の就業者は減っており、人手不足に悩む企業が増えています。
人手不足に加え、働き方改革を進めなければならない状況が続いているのです。しかし、労働環境や労働時間の見直しが進めば、これから転職する人は今よりも働きやすい職場で働けます。
技能者の推移
国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」によると、技能者の推移は以下の通りです。
職種 | 平成9年 | 平成22年 | 令和4年 |
建築業就業者 | 685万人 | 504万人 | 479万人 |
技術者 | 41万人 | 31万人 | 37万人 |
技能者 | 455万人 | 331万人 | 302万人 |
建築業就業者は年々減少しています。平成22年に技術者は31万人まで減少しましたが、37万人まで増加しました。しかし、平成9年から見ると、減少傾向です。技能者は455万人から302万人まで減っています。このように、建築業界全体の人手が減少傾向にあります。
65歳以上の就業者が増加
建設業界では、65歳の就業者が年々増加を続けています。他の産業と比べても65歳以上が働いている割合が高いです。
65歳以上の就業者が多い場合、30代40代の就業者は出世しやすいです。また、65歳以降も働けるため、老後のお金に悩む機会も減るでしょう。
年金の支払いを70歳まで続けなければならない案が出ている今、65歳以降も働ける業種は魅力的です。65歳以上でも働ける環境が整っている建設業界は、30代や40代にとって穴場の業界といえます。
30代、40代でも建設業の職人になれる
建設業の職人は30代、40代からでも十分に目指せます。建設業の職人は若くないと厳しいというイメージを持つ方も多いでしょうが、55歳以上の方も建設に携わっています。
30代、40代は歓迎される年齢で、企業からの需要も高いため安心してください。建設業はさまざまな技術や知識を学べる手に職がつく仕事です。
機械やAIに仕事を取られるリスクも少ない上、人手不足でリストラされるリスクも少ないので、将来を見据えた転職先としてオススメです。30代、40代で歓迎される業界は滅多にないため、転職活動をスピーディーに進めたい方は建設業界を受けてみてはいかがでしょうか。
今後の建築業界
60歳以上の技能者は全体の約4分の1を占めています。そのため、10年後には建築業界の技能者が4分の1いなくなってしまうのです。
そのため、建築業界の企業は若手の入社に力をいれ、育成する必要があります。建築業界全体で以下に力を入れなければなりません。
・担い手の処遇改善
・働き方改革
・生産性向上
このように、今後は若手の入社が歓迎されます。もちろん、30代40代も即戦力として歓迎されるので、積極的に応募しましょう。
建設業界で働くメリット
建設業界は高齢化が進んでいますが、働くメリットがたくさんあります。ここでは、メリットを具体的に解説します。
人手不足なため就職しやすい
建設業界は人手不足なため、多くの求職者に来てほしいと思っています。30代、40代に対しても需要が高く、転職しやすい業界です。
他の会社より早く実務に取り掛かれ、真面目に取り組めば役職も任されやすいでしょう。年収が他の職種より高くなる可能性も十分に考えられます。受けたい企業に給与や出世の条件を聞いて判断しましょう。
平均年収が高い
「民間給与実態統計調査」によると、建築業界の平均年収は、491万円です。全職種の平均年収である436万円を超えているため、建設業界は稼ぎやすい業界だとわかります。
しかし、年収は会社によって変わるため、求人の給与欄や賞与の条件をよく読んでから応募しましょう。中には賞与が保証されていない会社もあるため、福利厚生の整った大手企業へ応募するのがオススメです。
目にみえる建物が残るからやりがいがある
建築業界に携わると、建物が残るため、やりがいがあります。「あのお店は僕が建てたんだ。」と友達や恋人に自慢できるでしょう。
社会貢献度も高く、建物はすぐに取り壊されることもないため、自分の住む町に自分が建築に携わった建物が次々と増えていきます。目にみえる建物を作るやりがいを感じやすい仕事です。
労働環境は年々改善されつつある
労働環境が悪いイメージの建築業ですが、働き方改革によりこれから労働時間や環境が改善されています。そのため、入社時の条件は厳しくても、入社後に緩和していくでしょう。具体的には以下の改善が期待できます。
・週休2日制の導入
・危険な高所作業の機械化
・社会保険の加入
このように、働きやすい環境が整ったら、応募者も増えて内定をもらいにくくなります。今なら求人数も多く、人手不足で内定をもらいやすいでしょう。
建築職人の平均年齢は44.2歳で高い
建築職人の平均年齢は他の業種と比較しても高いです。65歳以上の割合も増えているため、今後さらに人手不足が深刻化するでしょう。
しかし、人手不足は求職者にとってチャンスでもあります。内定ももらうハードルが低くなり、役職に着くタイミングも早くなる期待ができるからです。他の業種と比べて平均年収も高いため、稼ぎたい方は建築業界がオススメです。
30代、40代でも即戦力として転職しやすいため、今の職種に不満を感じている方は建築業界の求人に応募しましょう。